性病にかかったけど赤ちゃんは大丈夫なの?

【性病別赤ちゃんへの影響まとめ】性病はお腹の赤ちゃんに遺伝するの?

性病はお腹の赤ちゃんに遺伝しないが、母子感染の危険性がある

性病はお腹の赤ちゃんに遺伝するのかどうか?
結論から言えば「遺伝はしません」です。

 

遺伝とは親から子供で形質が伝わる現象を言います。
目が二重だとか、鼻が高いだとか、肌の色、髪の毛の質など生まれ持っての形質が親から子供へ伝わることです。
ですから「母子感染による後天的な疾患」は遺伝には含まれないのです。

 

ただし「一般的な素朴な感覚」としての「遺伝」という意味であれば「遺伝する」という答えも間違いではありません。

 

というのもHIV、クラミジア、淋病、カンジダ、梅毒、トリコモナス膣炎、尖圭コンジローマ、性器ヘルペスなどの性病は「母子感染」と言って、性病に感染中の母親が特に治療を行わないまま出産をすれば
赤ちゃんも体内にいる段階や出産時に性病に感染してしまうことがあります。

 

このため初期の妊婦健診では必ず性病の検査が行われます。
性病の初期段階では自覚症状がないことも多く妊婦健診で性病が見つかるケースも案外少なくはないのです。
気づかないままに妊娠週数がすすみ、性病も進行してしまうと危険なため、妊娠初期の性病検査は第二子、第三子でも必ず行われます。

 

妊娠中、特に発症しやすいのがカンジダ感染症です。
元々カンジダは常在菌のため、我々の肌の上に常に存在しています。
これが妊娠によるホルモンバランスの変化、つわりによる体調不良などで免疫力が低下してしまうことで活動が活性化してしまい発症するのです。
膣錠や軟膏での治療が可能ですから陰部に痒みがある場合には性病検査が陰性だった場合でも痒みがでたら主治医に相談してみましょう。

 

現在では、きちんと治療や対処を行えば性病が母子感染する可能性は限りなく低くなります。
性病はそのほとんどが完治できるものですから少しでも気になった場合にはきちんと検査を受けてください。

【クラミジア感染症】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

クラミジアは自覚症状がないことが多いため感染していることに気づかずに妊娠してしまうケースも少なくありません。
じっさいに妊婦健診でも3%〜5%がクラミジアに感染しています。

 

クラミジアに感染したままだと羊膜までいずれクラミジア菌が侵入し、前期破水など流産を起こす可能性が高くなりますし、出産時に新生児がクラミジアに感染し新生児結膜炎や肺炎などにかかることがあります。

 

またクラミジアに感染したまま長期的に放置すると将来的に不妊に繋がり、不妊症の治療中にクラミジア感染が明らかになることもあります。

 

私は特定のパートナーとしか行為をしていないから安心!
とならないのがクラミジアの怖い点です。
自覚症状がでないため、前のパートナーとの間で感染することもあり、1回でも性交渉を持てば誰でも感染の可能性はあるのです。

【淋病】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

淋病は適切に治療を受ければそれほど怖い病気ではありません。
ところが適当に治療を終わらせて慢性化させてしまったり、病気を悪化させてしまうと男女ともに不妊の原因になることがあります。

 

女性の場合は淋病にかかっていても自覚症状が少なく、生理のトラブルとして片付けられてしまいがちです。
妊婦健診で初めて淋病にかかっていることに気づく人もいます。
妊娠をしたら面倒でも必ず妊婦健診を受けるようにしましょう。

 

また妊娠中の淋病感染は非常に危険です。
早産や流産が起こる危険性が高くなりますし、出産まで気付かず、そのまま出産してしまうと赤ちゃんまで感染してしまい、結膜炎や関節炎、尿道炎にかかることがあります。
最も恐ろしいのは新生児結膜炎で、罹ってしまうと失明することもあるのです。

【性器ヘルペス】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

性器ヘルペス自体は遺伝しませんし、潜在感染していても妊娠自体に影響はありませんし、奇形児が生まれる可能性もほとんどありません。
性器ヘルペスの人でも授乳することが可能です。

 

ただし性器ヘルペスは妊娠に伴って再発することがあります。
これはホルモンバランスの変化やつわりによる体調不良で抑え込まれていたヘルペスウイルスが活発化してしまうからです。

 

またヘルペスウイルスは母子感染します。
このため性器ヘルペスの症状が出ているまま普通分娩してしまうと経産道感染を起こしてしまい新生児ヘルペスを発症する危険性があります。

 

新生児ヘルペスは治療を行わなければかなり高い確率で死に至ります。
抗ウイルス薬の治療を行っても全身型の場合には症状が重たくなり大変危険です。

 

性器ヘルペスに感染されている方は妊娠中は規則正しい生活を送り、免疫力が低下しないように気をつけなくてはいけません。

【尖形コンジローマ】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

妊娠中に尖形コンジローマに感染してしまった場合には通常通りイボを取り除く手術を受けます。
塗り薬は赤ちゃんへの影響を考えて使わないことが多いようです。

 

尖形コンジローマに感染していることで赤ちゃんの成長や障害には影響はありませんが、事前にわかっている場合には治療が完了してから子作りを行ってください。

 

尖形コンジローマに感染したお母さんから生まれてくる赤ちゃんは産道を通過するときに尖形コンジローマウイルスに感染してしまうことがあります。
赤ちゃんが感染すると咽頭に「再発性呼吸器乳頭腫症」というイボができてしまうことがあり呼吸困難や窒息や小児がんの原因になります。
このため出産時までに完治していない場合には帝王切開を行うケースもあります。

【膣トリコモナス症】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

妊娠中に膣トリコモナス症に感染してしまうと子宮に原虫が入り込み赤ちゃんの成長を妨げます。
羊膜が炎症する絨毛膜羊膜炎の原因にもなります。
更にへその緒、赤ちゃん自身への感染も起こり危険です。

 

早産のリスクも高まり、極低出生体重児や周産期死産、脳性麻痺肺炎や髄膜炎、呼吸窮迫症候群などのリスクも高まります。
もし妊娠中に膣トリコモナス症に感染してしまった場合にはすぐに診断を受けて、治療しなければいけません。

 

妊娠初期の場合には妊娠前から感染していたケースがあります。
症状がでなかったのはたまたまで、免疫力が低下した妊娠中に活動していなかった原虫が活発になることがあります。
感染がわかったら一刻も早く治療を行わなければいけません。
早めに婦人科に相談しましょう。

【膣カンジダ症】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

カンジダ菌は膣内のグリコーゲンという糖分をエサとしています。
妊娠中はグリコーゲンが増えるためカンジダ菌が繁殖しやすく、ホルモンバランスの変化やつわりによる体力の低下など免疫力が低下しやすい条件が揃っているため膣カンジダ症になりやすい期間です。
特に妊娠初期は注意が必要で、性器にかゆみや、おりものの異常がある場合には妊婦健診の際に主治医に検査してもらいましょう。

 

膣カンジダ症にかかっても、胎児への直接的な影響はありません。
しかし出産時に膣カンジダ症を発症していると産道で胎児に感染することがあります。
赤ちゃんの口の中でカンジダ菌が繁殖してしまいカンジダ性口内炎を起こし、ミルクのカスのようなものが口の内側に付着してしまうのです

 

また「鵞口瘡(がこうそう)」と言って股が白くなったり皮膚炎を起こすこともあります。
抗真菌剤を塗れば治りますが、早めに治療をしておくのが安心です。

 

妊娠中は完治しても免疫力が低下しているため再発をしやすい期間です。
できるだけストレスをためず、免疫力を高める暮らしを心がけてください。

【梅毒】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

梅毒の第1期〜第2期の期間、治療せずに妊娠すると胎盤を通して赤ちゃんが感染し先天性梅毒になることがあります。
赤ちゃんが胎盤を通して感染するリスクは60〜80%とかなり高い確率のため妊娠してすぐに妊婦健診で梅毒の検査が必ず行われます。
このため万が一梅毒に感染していても赤ちゃんが実際に感染して生まれてくるというケースはほとんどないので安心しましょう。

 

妊娠中の治療でもペニシリン内服薬が使われます。
妊婦がペニシリンを服用すれば、胎児にも胎盤と血液を通して届くため万が一すでに赤ちゃんが感染していても治療を行うことができます。

 

先天性梅毒で生まれた赤ちゃんは出産直後には特に症状がありません。
しかし乳幼児期になって肝脾腫、紫斑、横断などが出ます。
また晩期先天性梅毒の場合には学童期になってからハチンソンの三徴と呼ばれる角膜炎、難聴、のこぎり状の歯という症状が見られます。

【HIV感染症/エイズ】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

HIVは母子感染しますし、母乳にも含まれるため授乳でも赤ちゃんが感染してしまいます。
このため妊娠初期の検査で必ずHIV検査が行われます。

 

HIVであることが分かれば完治させることはできないため抗HIV薬で治療しながらの出産ということになります。
しかしHIVに感染しているからと言って子供を産めないわけではありません。

 

HIVが妊娠に影響を与えるわけではありませんし母体のHIVウイルス量を減らすことで赤ちゃんや出産時の感染を減らすことができます。
出産は帝王切開になり、粉ミルクでの育児ですが赤ちゃんはほとんどが無事に生まれてきます。

 

既に感染している人が子供を持ちたい場合には男性の場合には精液からHIVウイルスを取り除いてから体外受精を行い、女性の場合には男性の精液を注射器で子宮に入れる人工授精を行います。

【B型肝炎】妊娠・出産・赤ちゃんへの影響

B型肝炎は感染していたとしても気づかないうちに自然治癒していることがあり、感染=必ず発症ではないので感染に気づかないことも多い病気です。
そして自然に治癒してしまえば大きな問題にはなりません。

 

しかしB型肝炎に感染している方が妊娠中の場合には要注意です。
出産の時に赤ちゃんが感染してしまう可能性があるからです。
このため妊娠初期に必ず血液検査が行われます。

 

B型感染キャリアは多く、自分がキャリアとしらないままに結婚して妊娠検査までキャリアだったことに気づかない人は結構多いです。
妊婦検査はこうした意味でも絶対に必要なことですから面倒でもかならずきちんと受けるようにしましょう。
また、助産院の中には検査をしないところもあるようです。
その場合には個人で検査を受けてください。

 

胎内感染のおそれはほとんどありませんが、母子感染を予防するために出産直後にワクチン接種などを行うことになります。


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